BIツールの種類:クラウドBI、オンプレミスBIの違いは?BIサーバー構築のトリセツ!
最終更新日:2021-12-10
前回はBIツールの機能という角度からBIツールの種類を説明しました。今回はBIサーバー環境から、クラウドBI、オンプレミスBI、などについてお話しましょう。
BIツールには主に「オンプレミス型BI」と「クラウド型BI」の2つの提供形態があります。ここからは、クラウド型BIツールとオンプレミス型BIと比較して、それぞれのメリットを解説します。
BIサーバーの構築
BIツールを利用するためには、分析する対象のデータを用意する必要があります。簡単に言えばBIのサーバーは、データを格納するための容器です。
クラウドBIの場合は、クラウド上にデータをアップロードして利用します。クラウド上のサーバで処理するため、PCの性能に依存せず分析が可能です。クラウドサービスを提供する業者がバージョンアップや障害発生時の対応などを行います。
オンプレミス型のBIツールであればデータが格納してあるデータDWH(データの「倉庫」)が必要です。様々なシステムからデータを集めて整理し、 データの「倉庫」である DWH を置く場所そして、企業がBIサーバーを構築する必要があります。サーバー構築には、社内リソースを使い、自社で行う方法と、専門業者の支援サービスを利用する方法があります。
それでは、BIサーバ構築の違いから、クラウドBIとオンプレミスBIを見てみましょう。
クラウドBIのほうが優れている?
クラウドとはITシステムに必要なIT機器を自社で保有しない、サーバをクラウド上に構築する運用形態です。
クラウドBIはクラウドネットワーク経由でユーザーにサービスを提供するBIツールのことです。インターネットを介してビジネスエンドユーザーが利用でき、インテリジェントなKPIモニタリングや動的でインタラクティブなダッシュボードレポートなどの高度なBI関連サービスを提供するサードパーティのビジネスBIソフトです。
近年クラウドベースのツールとサービスの重要性は飛躍的に高まっています。今後数年間で、組織の90%がSaaSなどのクラウドサービスを導入すると予測されています。それはただのデジタル化のトレンドではありません。
潜在的で予算にやさしいオプション、単一のBIツールからの完全なビジネスデータへのアクセス、ユーザーが外出先で洞察を生成し、モバイルを含むあらゆるデバイスからデータにアクセスできるオンラインの性質を考慮すると、ますます多くの企業がこれらに目を向けています従来のオンプレミスアプリケーションに対するソリューションだと考えられます。
なぜクラウドBIなのか?
競争上の優位性を提供する
今日の競争と変化の激しいビジネス環境では、データ意識のある人が意思決定に効率的かつ効果的にクラウドBIを使用できるなら、それは企業の大切なの資産の一つになります。
会社の規模に関係なく、企業は顧客の行動だけでなく、人事や財務、業務などの内部ソースから、日々大量のデータを生成します。このすべての情報の裏には、正しく利用されるとビジネスの成長と組織効率の向上に役立つ貴重な洞察があります。クラウドBIは、効果的で柔軟性と機敏性が備えた分析プロセルを企業に提供できます。また
インタラクティブなBIダッシュボードでデータを視覚化できる 共有と作成が簡単なことで、企業は競合から先手を打つことができます。
IT部門の関与を大幅減らす
多数の組織では、高度の専門知識とスキルを有しているITスペシャリストとデータサイエンティストだけが従来型のBIレポートツールを使いこなせるため、企業のBIツールの導入は、学習コストの高さなどの原因で、本来あるべき導入後の効果を出せなく、失敗の投資になってしまうケースもあります。
特にデータを深くドリルダウン分析や、データマイニングなどが必要となる場合、または複数のデータソースからデータ統合必要がある場合は、IT部門が手作業でコーディングしてデータベースクエリで統合完成までに数時間または数日かかることもあります。
従来のレポート作成ツールでは、レポート作成作業もIT部門に依存しており、他の業務やタスクを処理する時間を確保できなかったり、IT部門はただの「レポート作り役に過ぎない」と認識されたりするなどの状況も、筆者の経験上見たことがあります。手作業でのデータ処理作業に付き纏わされて、IT部門の真の価値が発揮されていません。
しかも静的レポートが完了するまでに、使っていたデータは適時性を失い、役に立たなくなる可能性があります。 クラウドBI はレポート作成のプロセスを簡略化にし、実用的な洞察を見つけるために必要最小限のデータを用意すれば、レポートやグラフで表現できるし、IT部門の関与を減少し、些細なデータ処理業務からIT担当者を解放させます。
ITは、クラウドBIなどのチカラを借りて、管理部門と業務部門の意思決定をサポートし、企業全体の効率を向上させる方法も提供することができます。
柔軟性と機敏性兼備の意思決定をサポート
Amazon Web Services(AWS)、Salesforce、Zendesk、Dropbox、OneDriveなどのクラウドベースのデータソースを利用して、ビジネス戦略と情報の機敏性を高めている企業が少なくありません。
しかし、ビジネスユーザーがそのようなソースから必要なすべての情報を収集し、分析レポートを作成する必要がある場合、時間がかかり、リアルタイムで迅速な情報を把握したいというレポート作りの目的と、矛盾が生じます。そこでクラウドBIの出番です。
指定された最も関連性の高いデータベースを接続してレポートを作成したら、ツールが常に最新の情報を提供するため、データを手動で更新する必要はありません。インターネットに接続していらば、 クラウドBI でいつでもどこでもリアルタイムのデータにアクセスでき、新鮮なビジネス洞察があなたの指先にあります。
クラウドBI はこれまで以上にビジネスデータにアクセスしやすくなり、企業内の各データサイロを統合し、市場にあるすべてのデータコネクタとソースを一貫管理方法論を提供し、持続可能なDXを構築します。
コラボレーションの促進
クラウド BIなどのツールの導入を成功させるための基盤の一つは、組織内のすべての人がデータ分析を行えるようにすることで、いわゆるデータ意識ですね。クラウドBIツールのユーザーフレンドリーな性質のおかげで、誰もがクリックするだけで独自のダッシュボードを作成し、チームメンバや上司にアクセス権限を与え、データの共有ができ、一緒に作業できるようになります。このように、コラボレーション環境が実装され、データ分析プロセスの属人化の解消ともつながりますし、働き改革の一環にもなりそうですね。
クラウドBIツールで、技術者である必要はなく、ユーザーが会社のデータベースを最大限に活用したいなら誰もが必要なときにいつでもデータ分析を実行できます。これは、シンプルでありながら強力なBIツールによって実現されます。
クラウドBIのメリット
オンプレミスBIより安価で利用できる
通常オンプレミスBIは、自社内で構築・運用するため、サーバ調達に期間を要すことや初期導入コストが高く、またインフラの管理・維持コストもかかります。
クラウドBI が提供する低いエントリコストは、従来のオンプレミスソリューションと比較して大きな利点を生み出します。クラウドBIは導入時の初期コストが少なく、その料金も数万円くらいが主流なので、初期コストを抑えられるほか、導入検討の上で障壁の削減になります。
クラウドBI はサブスクリプションベースのオプションを提供し、追加機能を追加で支払うことができる一方で、コストを予測できるため、IT部門のサーバー、マシン、ハードウェア、およびリソースが大幅に削減されます。SaaS製品と似る価格プランの透明性により、企業はクラウドBIツールを選びようになります。
また、無料トライアルにサインアップして、ニーズに基づいてサブスクリプションをカスタマイズできるかどうかも考慮されます。 クラウドBI のオンライン性により、ソフトの更新など高価なインストールやメンテナンスの料金も少ないので、より手頃な価格になります。
しかし、クラウドBI料金形態は使用量に応じて金額が変動する月額従量課金制が多いため、長期的なコストが高くなる可能性があります。
簡単導入でスムーズに利用開始可能
クラウド型のBIツールはインストールの必要がなく、アカウント作成やユーザー登録だけで始められます。サーバーも自社保有しないため、自社でのサーバーメンテナンスも不要なので、管理面においてもスムーズです。
最新のSaaSソフトウェアとの連携もできるクラウドBIもあり、ビジネスレポート、データベース分析、およびその他のタスクは、専門的なITスキルのない業務担当者でも処理できます。ビジネスプロセスに関与するすべての人が、データ視覚化とデータ分析をできます。スマートダッシュボードレポートを介して、業務関係者やその他の関係者と分析結果を共有できます。
一部のクラウドBIツールは軽量で使いやすいように設計されているので、直感的なダッシュボード デザインもできて、ユーザーは難しい学習に煩わされることなく、作業を開始できます。
メンテナンスも不要で運用負担が少ない
クラウドBIの場合はバージョンアップやセキュリティアップデートなどが提供ベンダー側がやってくれるので、利用者への負担は少ないです。クラウドBIソリューションは、日常業務の管理に必要なオンサイトサーバーとスタッフの数を最小限に抑えます。かつてITに費やされた経費は、社内の他の業務に当て、コスト削減と手間の削減の一石二鳥です。
オンプレミスBIにもスゴイ強み?
オンプレミスは、ITシステムを構築するにあたり、必要なサーバー機器やネットワークを自社設備内で管理、運用することです。オンプレミス自体は、以前から一般的な運用方法でしたが、近年クラウドサービスが普及し、クラウドと区別するためオンプレミスという言葉が使用されるようになりました。
オンプレミスBIはオンプレミス配置を利用するBIツールのことです
一般に、オンプレミスBIの内容表示はWebブラウザーを使用する必要があるため、通常、Tomcat、WebLogic、WebSphereなどのWebアプリケーションサーバーの下にデプロイされます。デプロイメント方法には、主にデプロイメントパッケージ、独立デプロイメント、および組埋め込みデプロイメントがあります。
オンプレミスBIのメリット
カスタマイズ
クラウドBI と違って、 オンプレミスBI は自社環境で構築されたサーバーなので、BIツールを柔軟にカスタマイズを行うことができます。BIでどこまで・何を実現したいかについてしっかりと考えておくことが大切ですね。
システム連携
BIシステムは自社の別ツールや既存システムとの連携をしたいという場合、カスタマイズをすることによって既存で利用しているソフトとの統合も可能です。オンプレミスBIはシステム連携に強いと言えます。
セキュリティ
自社でサーバーを利用して運用されているので、オンプレミスのサーバー利用者は自社内に限定されるので、比較的安全性は高いと言えます。ただしクラウドBIの場合でも当然、提供会社はセキュリティのアップデートなども行っていますので、一概にどちらがより優れたと言えません。
オンプレミスBIとクラウドBIの比較表
データが蓄積している場所(BIサーバー)に、BIツールが展開されます。 企業のビジネスシステムがまだオンプレミスである場合、BIをクラウドに配置する必要はなく、そうしてもBIツールの使用体験は向上しませんね
デジタルシステム・ITインフラの導入にあたって各企業は、 そのサービスの特性や要件、データの情報セキュリティの観点からROIなどを踏まえて、望ましい製品形態がオンプレミスBIまたはクラウドBIかを選択することになります。
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