プロジェクト管理をいかに効率化?「進捗管理見える化」が重要!
最終更新日:2022-9-16
「生産計画と実作業とのズレが大きい…」
「進捗状況を把握しきれていない…」
このような悩みを抱える製造現場では、進捗管理のあり方を見直す必要があるかもしれません。
進捗管理を「見える化」し、関係者全員がシームレスに情報を共有できれば、業務効率の改善、そこからの効率的な利益最大化が見込めるでしょう。
この記事では進捗管理にフォーカスし、以下のお役立ち情報を解説します。
・進捗管理の意義と目的
・進捗管理にありがちな問題点
・進捗管理を効率化する方法
進捗管理の見直しを図りたい企業担当者の方は、ぜひこの記事を参考にツールの活用も検討なさってください。
目次
進捗管理とは?「見える化」が重要!
「進捗管理」とは、「生産プロジェクトと実際の作業の進み具合を確認し、そのズレを見える化したうえで目標達成できるよう調整すること」です。
もう少し簡単にいえば、「計画通りに業務が進んでいるかしっかり管理すること」です。
製造業を営む企業にとって、計画通りに製品を作り納品することは基本中の基本。
しかし工程が多かったり、作業体制に欠陥があったりすると、さまざまなトラブルが起きます。
そのため進捗管理においては、各業務をしっかり「見える化」し、作業状況を明確にして改善できるようにすることが大切です。
なおプロジェクト管理は、工程管理の一部です。
工程管理は製造工程全般を管理します。
例えば作業手順や作業場所・製造条件・作業時間などを決め、計画通りに物事が進んでいるか管理し(進捗管理)、必要に応じて改善案を作成します。
このことから進捗管理は、工程管理の中で「スケジュールに特化した管理」という位置づけです。
進捗管理の目的と注力すべき理由
進捗管理の目的は、「計画通りに作業を進めて、高いレベルでQCD(品質・コスト・納期)を守ること」です。
製造業に携わる企業は、低コスト・高品質・余裕のある納期を意識しつつ、製品を製造し続けて利益最大化を図らなければなりません。
そのためにはスケジュール通りに業務を遂行しなければならず、スケジュールを守るにはプロジェクトの状況を常に確認する必要があります。
製造現場に限ったことではありませんが、企業活動にはすべて、一定のスケジュールが存在します。
つまり「何を」「どのように」「どれだけ」「いつまでに」行うかが、ある程度決められているはずです。
スケジュール通りに物事がうまく運ばないと、いろいろな問題が起きてしまうのはいうまでもありません。
ではプロジェクト管理を最適化すると、どのような利点があるのでしょうか?
納期を守りやすい
進捗管理を最適化すると、納期を守りやすくなります。
プロジェクト状況が常に明確だと、作業員がスケジュールを意識するため、必要な調整を細やかに行なえます。
企業にとって納期厳守は最重要要素の一つです。
納期遅れが発生すると、顧客からの信用が低下し、その後の取引に悪影響が出てしまいかねません。
信用をなくすと、ビジネス機会の喪失につながります。
仮に現時点で納期に遅れていないとしても、余裕のない生産プロセスを続けていては、いずれ納期遅れが起きるでしょう。
トラブルの早期発見と迅速な調整ができる
プロジェクト管理がリアルタイムで行われていると、トラブルに気づくのが早くなります。
製品の不良や設備の不具合をいち早く感知できれば、迅速に調整を加えられます。
例えば、設備や人的リソースを一時的に増やしたり、すぐに点検や作業手順の確認などができたりするかもしれません。
一方、プロジェクト管理があいまいで計画と実際の作業のズレがわからなければ、スケジュール的に問題があるのかどうか判断しづらいでしょう。
もしズレが出ているのに気づかないとすれば、後々大きなスケジュール遅れが明らかになるかもしれません。
トラブルを早く見つけられるほど、損失拡大を最小限に留められます。
業務の生産性がアップしやすい
適切な進捗管理は、業務の生産性をアップするのに役立ちます。
進捗状況がわかると、作業員が達成度を意識できるため、各自のモチベーションが上がりやすいです。
またリアルタイムの進捗確認により作業のムダが可視化されれば、効率を求めた作業計画を立てやすいでしょう。
タスクのやり残し防止になる
進捗管理をしっかり行うと、タスクのやり残しを防止できます。
複雑な製造プロジェクトの場合、多くのタスクが関わってきます。
進捗状況をしっかり確認できないと、いつの間にかタスク漏れが発生するかもしれません。
そうなると作業を止める必要も出てくるでしょう。
このことにより、さらに計画と実作業のズレが大きくなってしまいます。
いくつものステップを踏まなければならない料理レシピの場合、一つのステップを飛ばしてしまうと調理が台無しになることがあります。
同じようにタスク漏れも大きな悪影響を及ぼすことがあるのです。
進捗をリアルタイムに把握できれば、このようなタスクのやり残しリスクは軽減されます。
進捗管理の主な方法
進捗管理は主に、以下の方法で実施されます。
・日報
日報は、製造プロセスに携わる作業員から進捗状況をヒアリングして記録する方法です。
状況を知っている作業員から直接確認するため、詳細な内容を確認できます。
レポーティングツールで日報、月報をより簡単に作成できます。また、予め展示するデータとスケジュールを設定すれば、レポートを自動生成できるレポート自動化機能が備えるツールもあります。
FineReportで作成した品質日報:
FineReportで作成した産量日報:
・ガントチャート
カレンダー上にプロジェクト状況を記録する方法です。
縦軸には作業内容や製品名を、横軸には日付を記した棒グラフ状の一覧表です。
作業プロセスを時系列表示で示すため、作業内容と作業者・必要時間(期間)を明確に示せます。
ただし生産計画の変更があると、グラフ全般も修正しなくてはならず手間がかかります。
FineReportで作成したガンとチャートのイメージです:
・カンバン方式
「トヨタ生産方式」で有名なタスク処理方法です。
まず必要なタスクをホワイトボードなどに記入したうえで、「カンバン」と呼ばれるカード(あるいは付箋)を、「未対応」「作業中」「完了」など作業状況別に作ります。
その後、作業工程の進捗に合わせて、各タスクの枠に該当するカンバンを貼り付けます。
簡単に作れるほか、進捗が一目瞭然になるのがメリットです。
ただし、各タスクの重要度を把握するには、カンバンの配置にルールを設けるなど工夫が求められます。
チームで進める複雑なプログラムやプロダクトにこの方式を利用すると逆にカンバンが沢山あり、重点を掴めにくくなるのが欠点です。
・プロジェクト管理ツール(プロジェクト管理ツール)
進捗管理に役立つさまざまなツールを搭載した専用ツールです。
例えば、ガントチャート機能やTo Doリスト機能・情報共有機能・通知機能などが含まれます。
オンライン上でデータを把握できるのがメリットです。
進捗管理にありがちな問題点
従来の進捗管理は、紙やExcelをメイン主体で行われてきました。
そのような方法にも利点はありますが、非効率な点があることも事実です。脱エクセルや製造現場のペーパーレス化が提唱されている今、かなかな進まない企業もあります。
進捗管理・プロジェクト管理にありがちな問題点を、いくつかご紹介します。
Excel主体の非効率な管理をしている
Excelは汎用性が高く、多くの人にとって身近なツールのため操作は楽です。
とはいえExcelはプロジェクト管理のベストツールとはいえません。
まずExcelでは情報共有がスムーズにできません。
ファイルをほかの作業員に向けてメールするなどの手間がかかり、リアルタイムの情報共有には不向きです。
共有機能もありますが、バージョンにより方法が違ったり機能制限があったりなど面倒な点も見られます。
またExcelでは頻繁にシートを追加したり行列設定をしたりなど作業量が多いのも気になります。
別の点として、Excel主体の進捗管理はモバイル活用の面で少し不便です。
というのも、ExcelはどちらかというとPCで活躍するツールであり、モバイル端末での利用にはさほど向いていません。
スマホ向けのアプリもありますが、スクロールする回数が必然的に多くなり、スピーディーな情報確認は難しいでしょう。
進捗状況が不透明になっている
進捗状況がきちんと可視化されず不透明であることも、ありがちな問題点です。
進捗報告のやり方が標準化されておらず明確でないと、「だいたいこれくらい」とか「特に問題はないと思われます」など、進捗に関して感覚的な捉え方しかされない恐れがあります。
業務内容が複雑であればあるほど、進捗状況に関する作業員の認識はおぼろげなものになりがちでしょう。
そのような状況では、計画と進捗にズレが起きていても、それに気づくチャンスが自ずと制限されます。
ただでさえ作業員は目の前のタスクに集中しなければならないため、可視化されていない進捗状況には意識が向きづらいはずです。
必要な情報が共通認識されていない
プロジェクトに関わる作業員が、納期やプロジェクトの目的などに関する情報を共有できていないことも問題です。
共通認識がないと、作業員各自が自分の思惑で作業してしまう恐れがあります。
例えば進捗報告のスタイルが作業員各自で異なっていれば、正確性に欠く可能性があります。
あるいは優先順位がチーム内で整理されていないと、重要なタスクが後回しにされるかもしれません。
進捗管理を効率化する3つのカギ
進捗管理を効率化するには、以下の3つのカギを意識する必要があります。
・進捗管理の定義や基準を明確にする
・進捗確認にリソースを割く
・進捗管理ツールを用いて「見える化」する
それぞれのカギについて解説していきます。
進捗管理の定義や基準を明確にする
まず大事なのは、進捗管理の定義や基準を明確にすることです。
進捗管理・プロジェクト管理に関する関係者の認識があいまいだと、計画と実際のズレを把握することすら難しくなります。
そのため進捗率やプロジェクトのゴール・予想されるトラブル・許容範囲などについて、だれにとっても明確な定義や基準を設けるようにしましょう。
漠然とした定義・基準ではなく、具体的な数値やルールを使うことで、関係者間の共通認識は高まります。
例えば資材投入が終わった段階で10%の進捗、午前10時までに○○会社(取引先)分の製造完了が直近のゴールなど、チーム間で共通認識をもたせましょう。
進捗確認にリソースを割く
2つ目のカギは、進捗確認にリソースを割くことです。
進捗管理・プロジェクト管理の責任者(マネージャー)を決めましょう。
進捗状況はプロジェクトに関わる作業員が全体として意識すべきです。
とはいえ、さまざまなタスクをこなす中で進捗確認をしたり、分析・調整をしたりするのは容易ではないでしょう。
多忙なあまり、進捗管理がおざなりになる恐れもあります。
そのため進捗管理が十分行われるよう、責任者を決め、チーム内の作業員に計画や納期・工程などをしっかり周知できるようにしましょう。
進捗をその都度チェックする責任者がいないと、進捗管理が片手間で行われるリスクがあります。
進捗管理ツールで、プロジェクトを「見える化」する
3つ目のカギは、進捗管理ツールを用いて「データ見える化」することです。
チャートやグラフなど視認性に優れるツールを使って、進捗状況が正確かつ一目瞭然になるよう徹底しましょう。
正確な進捗状況がわかれば、当初の計画とのズレ具合がはっきり把握でき、計画の見直しを迅速に行えます。
例えば、進捗状況が芳しくないところに、余裕があるところからサポートを派遣するなどの判断がしやすくなるでしょう。
また、単に見える化するのではなく、リアルタイムに情報が反映される仕組みを作ることも大切です。
リアルタイムのデータがわかれば、いち早く問題点に気づき軌道修正をかけられます。
進捗管理が円滑に!「プロジェクト管理見える化」を促進しよう
進捗管理を効率的に行うには、従来の紙やExcel主体の管理方法ではなく、より洗練されたシステムを導入することが大切です。
プロジェクト状況をデータで「見える化」し、かつ円滑に情報共有できるシステムを構築することで、責任者はじめチーム全体が進捗管理への意識を向けやすくなります。
そこでおすすめしたいツールが「FineReport」です。
「FineReport」は、製造業はじめさまざまな業務に応用できる汎用BIツールです。
強みは、強力なデータ可視化機能とデータ入力機能、そしてシステム連携機能。
- IoTデータ活用機能や、70種類以上のHTML5グラフ機能、Excelライクのデザインなどを武器に、あらゆるデータを「見える化」し、円滑な情報共有を推し進めます。
- モバイル端末での管理も容易で、場所を問わずリアルタイムの進捗管理を可能にします。
- 「FineReport」が優れている別のポイントは、ニーズに応じた最適なカスタマイズでシステム開発できることです。
進捗管理だけでなく、予実管理や工程管理・在庫管理など、製造業のさまざまな管理効率化に応用できます。
- また、業界を問わずさまざまな業務にわたって柔軟対応可能。
これまでに世界1万5,000社以上の企業様にソリューションを提供してまいりました。
進捗管理はじめ、現場の各種管理体制の刷新を検討されている方は、ぜひ資料請求して詳細をご覧ください。
「FineReport」によるIot可視化ソリューションの例
「FineReport」導入により、企業IoT可視化課題のソリューションを実現した実例を2つご紹介します。
いずれの事例も汎用的なソリューション例となっているため、現在の業務フローへ最適化し、進捗管理が可視化できるシステムをお探しの企業担当者の方は、ぜひ参考になさってください。
生産システムのプロセスを「FireReport」で自動化
タバコを生産している企業では、異なるデータシステムからデータを取り出し、手作業で計算していました。
そのため作成された紙のレポートがうまく活用できず、大量のデータ処理効率の低下をまねいていました。
そこでレポート作成の業務工程をすべて「FineReport」できるよう開発し、DXを推進。
その結果、生産データのプロセス全体が自動化され、計算ミスや無駄な人件費コストが削減。
生産や進捗管理の効率が大幅に向上しました。
レポート分析システムを構築で業務効率化が向上
業務に関する帳票のデータを管理部が確認する際、1〜2日ほどかかっていました。
そのため業務データの伝達が遅く適時性に欠け、リアルタイムでの状況整理や判断がしにくい状態が課題です。
そこで「FineReport」を導入し、以下のシステムを確立させました。
・要件定義
・ビジネスアナリスト
・データコーミング
・データモデリング
その結果、従来の分析任務のコストが20人日から0.5人日に減少し、グループ内の業務効率化が実現しました。
まとめ
進捗管理がうまくいかないと、納期遅れのリスクを高めてしまいます。
またトラブルにすぐ気づけず、ムダやムリを誘発する恐れもあるでしょう。
一方、適切な進捗管理体制が整っている現場では、納期遵守はもちろん、トラブルへ迅速に対処できたり生産性がアップしたりなど、多くのベネフィットが生まれます。
進捗管理を「見える化」して効率を高めるために、「FineReport」はじめ適切な進捗管理ツールの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。