フリー/オープンソース帳票ツール4選の機能特長まとめ
最終更新日:2021-9-3
企業は帳票ツールを導入する際、まず「自社にはどのような帳票ニーズがあるか」を検討する必要があります。たとえば、帳票の種類が少ない場合は、フリーかオープンソースの帳票ツールで開発するといいです。帳票の種類が多くて、様式が複雑な場合、商用のソフトウェアをお勧めします。
フリー/オープンソース帳票ツールでも商用帳票ツールでも、その導入と配置の難易度、導入コスト、性能、学習コスト、異なる利用シーンへ適応する柔軟性を検討すべきですね。
オープンソースなソフトは自由にカスタマイズが可能なので、手軽に自社向けのソフトウェアを開発したいときによく使います。今回は、フリーバージョンを提供するフリー/オープンソース帳票ツールを四つピックアップし、それぞれ機能特長をご紹介します。
オープンソースな帳票作成ツールとは
ソフトウェアのオープンソースとは文字通り、「公開(open)されたプログラムのソース(souce)」のことです。ソースコードが公開されており、そのソースコードを自由に変更して利用したり、配布したりしてもいいソフトのことをOSSと言います。
オープンソースなソフトは自由にカスタマイズが可能なので、手軽に自社向けのソフトウェアを開発したいときによく使います。
フリーでオープンソースな電子帳票システム製品は多くありますが、基本的にはコーディングスキルが前提となっていますが、コーディングができれば無料で帳票を作成できます。作りたい帳票の様式が単純で種類が少ないものであれば、オープンソース製品でも十分満足できるでしょう。
でも帳票作成をフリーツールで行うには多かれ少なかれ専門的な知識が必要ということを押さえてもらいたいですね。
ビジネスの目的の商用帳票ツールなら、基本的にコーディングは必要ありません。ツール内に用意されている各種テンプレートにデータを記入する、あるいはデータをシステムにアップロードするだけで自動で帳票が作成されてくれるシステムもあります。誰でも使える作業効率化ツールともいえます。
フリー/オープンソース帳票ツールおすすめ
FineReport
Java製のBI・帳票ツールFineReportは、90日間フル機能利用できる無料トライアルバージョンを提供しています。Excel+データ列紐付け形式のGUI画面でノーコーディングで帳票を作成できます。ドラッグ&ドロップで容易に帳票設計、Web系の開発経験ゼロでも短時間で使用方法習得できて、学習コストが低いツールです。複数のデータベースを関連付け、異なる業務システムのデータを一枚の帳票テンプレートに表示できます。
機能特長:
- Excel帳票のフォームとデータをインポートすることで帳票を設計できる
- 業務帳票、レポートでデータを入力・送信する時には、データを直接データベースに保存する
- 専用のビューアーが不要であり、あらゆるデバイスのブラウザから帳票を閲覧する
- スケジュール機能によって、定型レポートの作成と配信を自動化する
- 豊富なドキュメントとチュートリアルを無料で利用でき、学習コストが低い
短所:
- 高度なデータの統計分析が必要な場合、SQL、STORE PROCEDURE、JAVAとEXCEL数式と組み合わせる必要がある
- オフラインでデータベースに接続できない
JasperReports
JasperReportsはプログラマーに最も人気のオープンソースのJava帳票作成ツールであり、ireportと組み合わせてJava環境での帳票開発によく使用されます。PDF、HTML、XLS、CSVおよびXMLのフォーマットで帳票を出力できます。
機能特長:
- iReportのグラフィックな画面で帳票を設計できる
- Javaアプリケーションに組み込んで使うことができる
- ETL、OLAP、およびサーバのコンポーネントは企業既存のシステムと容易に統合する
- Windows、Linux、およびMacで実行する
短所:
- 帳票を生成するためにxmlの編集またはプログラミングが必要であるため、学習に時間がかかる
- 不規則な帳票フォーマットを作る際、ほとんどの機能はコーディングが必要になる
- 一枚の帳票に複数のデータソースを統合できなく、1つのデータソースのみを利用する
- なんでもコーディングで実装するので、帳票の仕様変更などに素早く対応できない
- ドキュメントは英語で書かれて、しかも有料利用となる
Seal Report
.Netフレームワークを使用して、C#で開発したツールであり、データベースから帳票を生成するための完全なフレームワークを提供します。この製品は簡単なインストールとレポートの設計に専念し、一度インストールすれば帳票を効率的に作成して配布することができます。
機能特長:
- 動的SQLでクエリを実行できる
- ローカルのピボットテーブルをサポートする
- HTML 5を介した迅速なWeb帳票を生成する
- 階層型ナビゲーションと帳票を設計できる
- 定期的にデータの読み込み、処理、バックアップなどをスケジュールできる
デメリット:
- ドキュメントもチュートリアルとも少なく、学習にJasperReportよりコストがかかる
- バグ修正が難しい
BIRT
BIRTはJavaやJava EEに基づき、Eclipseで開発したオープンソースの帳票ツールです。BIRTには主に2つのコンポーネントがあります。ひとつは、BIRT帳票とレポートを作成するためのEclipse IDEに組み込まれたビジュアルなデザイナ。もうひとつは、あらゆるJava環境にデプロイすることができ、帳票とレポートを生成するランタイムコンポーネントです。
機能特長:
- 帳票デザイナに加えて、帳票エンジン、データエンジン、チャートエンジンなどのコンポーネントも含む
- 開発者コミュニティは他のオープンソースツールより内容が充実している
- 設計画面がユーザーフレンドリーで、ナビゲーションが使いやすい
短所:
- グリッドの設計モードは複雑な帳票仕様に対応できない
- データ入力機能が備わっていないので、実装に時間がかる
- キャッシュ、同時実行制御どビッグデータ処理の機能がない
【関連】
≫帳票作成ツールの比較ポイントは?2020年帳票サービス厳選9選
≫なぜExcelで帳票を開発しないのか
まとめ
フリー/オープンソースの帳票ツールはそれぞれの利点を持っていますが、共通のデメリットはコーディングが必要で、習得が難しく、帳票を作成するにはプログラミングに関する高度なスキルが求められるいところですね。コーディングなどのスキルの学習で、あえってコストが高くなることもあります。
フリーツールなら、導入前に機能を検証したり、使い応えを試したりすることもできますので、 オープンソースの帳票ツール より易しいツールなのかもしれません。FineReportみたいな Excel+データ列紐付け形式のGUI画面でノーコーディング帳票ツールもありますので、まずは無料試しをすればいいですね。
スキルや時間的・金銭的負担、自社のニーズなどを総合的に考え、フリー・商用製品の中から最適な帳票作成ツールを採用しましょう。