納品書、明細書、請求書などの業務帳票を作成する際、Excelにデータをはめ込んで出力することが多いでしょう。作業効率を上げるために、マクロやVBAで帳票テンプレートへのデータ入力を自動化する「Excel職人」もいます。
一方、市場で様々な電子帳票作成ツールが出回り、それを導入した企業も増えてきています。Excelに慣れる方はきっと「わざわざ帳票ツールを使う必要があるのか」という疑問を持つでしょう。
確かに、Excelは手軽で便利なツールですが、実は現場の ボトルネックになっている可能性もあります。Excelを使った手作業でのデータ分析と管理から脱却し、自社に最適なBIツールを導入することで、IT部門の業務効率向上、営業部門の売上拡大、経営者の客観的な、スピーディな意思決定が見えてきます。
今回は「エクセルで帳票を作成しない理由」「エクセルによる帳票作成と帳票ツールの違い」についてお話をしたいと思います。
Excelで帳票開発とデータ管理がもたらす6つのリスク
Excelは汎用性が高く、誰もが簡単にデータの集計、分析ができます。
しかし、企業がビッグデータの時代を迎えるいま、他のシステムとの連携、データベースの安全性と管理の利便性の面から考えると、さまざまなリスクが浮かび上がってきます。
従業員が200人未満の小企業や個人事業主では、データ管理の既存プロセスを変更する財力も人力もないため、ExcelやWordなどのオフィスソフトで帳票作成と帳票管理の業務をやっています。
確かに中小企業、個人事業主の帳票業務は、取り扱う情報量、データ種類が大企業ほど多くないですね。でも「e-文書法」等政策の影響で企業の帳票業務が複雑化し、多くの企業が「Excel」に頼った帳票開発に限界を感じ始めています。
「脱エクセル」がすでに始まっています。
1.情報の「質」と「量」
企業経営の毎日、大量なデータが生じています。エクセルを使ったデータ管理では、データの量が増えるごとに各データ項目間の関連付けが難しくなり、データから見える情報の統一性が失われてしまいます。
また、データの量が重くなったら、エクセル計算速度が遅くなったり、エラーが起こりやすくなったり、セルから動けなくなったりすることがあります。最悪の場合、ファイルが壊れデータが消える可能性もあります。
つまり、情報の「量」が日々膨大につれ、Excelで管理したの情報の「質」が低下してしまうのです。エクセルのデータ蓄積と分析能力に限界があるため、データを「次の一手」として活かすことは困難でしょう。
2.複数データの統合
情報化社会において、企業のデータは開発、生産、販売、営業、財務管理、顧客管理など様々なシステムとデータベースに分散しています。一枚の帳票は複数のシステムとデータソースのデータを含めることが少なくありません。
Excelはデータベースに接続できますが、SQL Server、Microsoft Accessのようなリレーショナルデータベースに限られ、異なるデータベースのデータを1つの帳票に統合できないのも事実です。
3.リアルタイム性
帳票作成ツールと比べ、Excelでのデータ管理は、情報の正確さやリアルタイム性の面で課題を抱えがちです。Excelで作成した帳票ファイルは一般的に個人のパソコンに保存されるので、データに何か変化が起こるたびに、手動でデータを更新する必要があります。
しかし、企業のデータが毎日変化しています、一つ一つ更新する効率が低いだけではなく、リアルタイム性を確保できないし、人為的ミスも避けられないでしょう。また複数の社員がひとつのエクセルファイルを同時に更新し続ければ、認識のズレやケアレスミスから間違った情報が共有されるかもしれません。
4.情報共有、共同作業に不向き
現代の企業経営には「タイムリーかつ適切なアプローチ」が求められています。これを担保するのは「情報の正確さ」「緻密さ」「リアルタイム性」です。
同一の帳票を複数のユーザーによって作成されることが多いです。帳票作成ツールの共同編集機能と違い、Excelの場合、一つは各自編集した帳票ファイルを集め、コピペして1つのファイルにまとめます。もう一つは複数のメンバーが一つのエクセルファイルを更新しまわします。誰かが誤って他人のデータを変更してしまったりすることもありえます。
情報共有の面から見ると、「情報の正確さ」「緻密さ」「リアルタイム性」という要素はエクセルだけで維持し続けるのは難しいのです。
それに、編集済みの帳票を共有するには、もう一回手動で皆さんに送信しなければいけません。一日何回以上の過程を繰り返すのは大変なことでしょう。
5.権限管理とセキュリティ
帳票を少数のスタッフだけではなく、複数の部門、拠点に変更、閲覧されることがあります。この場合、セキュリティ対策として、部門、職位などによって帳票の操作権限を制御する必要があります。
セルまで権限管理可能な帳票作成ツールと違って、Excelは、個別ユーザの読み込みと書き込みの権限を設定できますが、大きな組織だと部門、職位別の権限設定に対応できません。
また、帳票の数が多い場合もファイルの権限を個別に設定しなければならないので、結構時間がかかります。
Excelを使用したデータ管理では、シートごとに閲覧・編集権限を付与できるものの、シート内の細かい情報については制御しきれません。マクロウィルスの存在やそれに対する個別の対策の必要性など、業務効率の低下につながるデメリットも存在します。
6.メンテナンスしづらい
社内にExcel職人が作成した多機能Excelファイルが便利といえば便利ですが、作成した本人以外、誰もメンテナンスできないというのが、調べてみると他の企業でもよくある話だと。
情報システムの方にさえメンテナンス不可能とは、Excelの奥の深さを感じさせますね。
また、元のデータがどこを参照しているのかわからないExcelファイル、1万件以上のデータを管理している大容量のExcelファイルなども企業にかなり存在しています。
これは帳票作成の面で効率が良くないし、帳票管理の面から言えば、継続性もないし、企業の精神衛生上も良くないです。
帳票業務の効率化には専門帳票作成ツールが必要
以上の問題を解決するにはExcelスキルだけでは無理があります。なぜならExcel自体はそれらの機能に欠けているからです。
これと同じように、刺身や握り寿司を作るには柳刃包丁、骨やお肉を切るには中華包丁ですね。
Excelで扱いにくい問題を解決するために、帳票作成ツールを導入する企業が増えています。業務全体の効率を上げるなら、帳票作成業務から改革しません?
帳票ツールのどこが、Excel帳票に勝っているか
1.データベースの統合
帳票作成ツールは、異なるシステムやツールからのデータを1つの帳票に統合できる上に、データベースの更新をリアルタイムで帳票に反映するので、帳票作成にかかる手間を省きます。
複数ベータベースの統合
2.スケジューリングによる帳票出力・印刷・送信を自動化
FineReportみたいな帳票ツールには簡単に手早く、イメージした帳票のまま設計できる機能が備わっています。FineReportは複雑で多様な帳票デザインに対応します。請求書、明細書、発注書、契約書、進捗管理表、あらゆる固有の帳票フォームを最小手順で設計できるため、帳票開発に必要の工数の大幅な削減を実現してくれます。
データ自動更新と配布
3.共同編集でチーム開発をスピードアップ
1つの帳票を複数人で同時に編集する(コラボレーション)機能を備えており、リアルタイムの共同作業が待ち時間を削減し、迅速に帳票開発を進められます。また、自動帳票機能を使えば、帳票の元データとなるデータベースに追加するだけで、複雑な入力手作業をしなく、すぐに帳票を出力または印刷できる状態に仕上げてくれます。
エクセルでの帳票作成作業なら、各セルに対し個々に関数や条件付き書式を入力しておく必要があるため、重複作業で効率が低いだけでなく、ヒューマンミスが防げません。
4.セキュリティレベルの向上
ユーザー、データ、権限、セキュリティなどを一元管理で安全性がぐっとあがる。ビジュアルな設定、セルまで管理可能です。
FineReportの権限管理
Excel帳票に慣れる方が、短時間で帳票作成ツールを使いこなすのが難しいと思っているかもしれませんが、FineReportのようなExcel風の帳票デザイナーで、簡単な操作で帳票を設計するツールもあります。
Excelより便利に帳票を作成できるツール
帳票・BIダッシュボードツールFineReportを例で説明しましょう。
FineReportは帳票レイアウトの設計から帳票、データ入力などの帳票運用まで支援する帳票の開発、出力、配信、管理をオールインワンに集結した帳票ソリューションです。
1.操作方法が易しい
Excelライクのデザイナーでデータソースに接続し、ドラッグアンドドロップのみでデータセットとセルを紐づけ、イメージした帳票のまま設計できます。ドラッグ&ドロップで容易に帳票設計、Web系の開発経験ゼロでもすぐ身につけます。
2.既存システムとスムーズに連携できる
既存のExcel帳票を元にした帳票作成が可能であり、フォームもデータもそのままインポートします。
3.複雑で多様な帳票デザインにも対応。
FineReportで作った複雑帳票
4.絞り込み検索、動的レポーティング
複数条件で絞り込み、見たいデータを抽出して帳票を表示したり、PDFやExcel、Wordに出力したり、動的レポーティングを実現します。
5.簡単帳票出力・データ入力・帳票印刷
何の専用モジュールやプラグインが不要で、デザインツールとブラウザの両方からも帳票をExcel,Word,PDF,画像に出力したり、印刷したりすることができます。
出力
データ入力
従来のExcel帳票作業に負担を感じるあなたに、FineReportみたいな帳票ツールを検討してみませんか?
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