主要業績評価指標(KPI)を整理し、体系化することが、企業の運営には不可欠です。そして、KPIの設定で重要なのは、容易にモニタリングし、共有することです。KPIダッシュボードを利用することで、チームメンバーの目につきやすい場所にKPIを掲示し、目標と現状の共有に役立てることができます。では、本記事はKPIダッシュボードの作り方と、実務上活用していただけるサンプルを解説します。
KPIダッシュボードとは
KPI ダッシュボードは、各システムに散在しているデータを一元化し、業務のKPIに対する実績を示す可視化的なフィードバックを一目で確認できるデジタルダッシュボードシステムの一種です。
KPIダッシュボード(主要業績評価指標ダッシュボード)は、重要なKPIをピックアップし、進捗率や達成度合いなどを表示する画面のことです。経営層から管理者、一般社員まで利用可能な管理ツールとして、会計や顧客、業務、成長など複数の視点で業績指標を俯瞰的に把握し、業務実施や戦略提案など、迅速な意思決定を支えます。
KPIダッシュボードは、車のダッシュボードと同じ、運転者や搭乗者を守るための「経営の計器盤」のように、組織全員が注意すべき情報を表示し、何かがあったらリアルタイムに伝達し、企業運営の安全をサポートするツールです。
BIダッシュボードの詳細は、BIダッシュボート機能、ダッシュボード作成システムをご参考ください。
KPIダッシュボードのサンプル~業務別紹介
KPIダッシュボードの必要性を理解したところで、どのように活用するかを見ていきましょう。以下は売上、マーケティング、財務、人事の業務別にKPIダッシュボードのサンプルを紹介します。
以下のKPIダッシュボードは全て、FineReportによって作成したものです。
1.財務KPIダッシュボード
その一:財務状況ダッシュボード
収入、利益、回収金額、収入構成など、企業の財務状況を示す指標をKPIダッシュボードで表示することで、財務マネージャーはビジネスの全体像を把握し、来期の目標を適切に設定できます。 すべての指標はデータベースとともに自動更新するので、業務システムから出力してスプレッドシートで加工する手間をなくします。
その二:収益センター
もう1つ重要な財務KPIダッシュボードは収益センターです。収益センターにより、組織内で最も収益性の高い部門・活動・業務を区別でき、精度の高い分析と合理的なりソースの割り当てが容易になります。
2.売上KPIダッシュボード
その一:売上管理
売上管理はセールスマネージャーが毎日確認しなければならないKPIダッシュボードです。受注額と総売上だけではなく、製品、地域、顧客毎のセールスパフォーマンスを監視すると、異常時などを早期に発見でき、長期的な目標達成に繋げます。
また、地図上で特定の地域をクリックし、ドリルダウンすることで、周りの売上情報が連動して表示します。地域毎のKPIダッシュボードを作成することはありません。
その二:売上統合分析
セールスマネージャーはダッシュボードから売上、利益、コストといったKPIの達成度を把握する上に、ドリルダウン分析により、より詳細な地域や商品、顧客などの情報を知り、業績向上・不振の原因を発見します。
3.マーケティングKPIダッシュボード
下図のKPIダッシュボードは、Google AnalyticsやCRM、MAなどのマーケティングデータを統合し、サイトの訪問数、コンバージョン率、前月比などを示しています。そして、男女、地域、チャンネル、検索キーワード別のユーザ数を確認し、マーケティング活動の効果を測定することができます。
4.人事KPIダッシュボード
下図の人事KPIダッシュボードは勤怠管理者向けの便利なツールです。日付で絞り込み、指定範囲内の社員の出退勤や有給休暇取得状況などを可視化し、迅速に問題のポイントを把握でき、生産性の向上に繋げます。
KPIダッシュボードの作り方~ステップバイステップ
ここまで読み進めていただいたみなさん、業務別のKPIダッシュボードの活用方法がわかるのではなかと思います。これから、KPIダッシュボードへの理解を深めるために、具体的な作り方を解説します。
まずは作成方法の動画をご覧ください。このあと手順を説明します。
ここでは、KPIダッシュボードの作成ツールを「FineReport」にします。
BIツール「FineReport」は、Excelファイルからビッグデータまで、さまざまなデータソースにスムーズに接続し、ドラッグ&ドロップでKPIダッシュボードを作れます。自社開発のチャートと地図は70種類以上も用意されています。売上管理から財務、マーケティングや品質分析など多種多様なKPIダッシュボードの作成が可能です。
ステップ1:データ接続
KPIダッシュボード作成の第一歩は、用意されたデータに接続することです。FineReportは業務システムのデータベースだけではなく、CSV、Excel、Txtのファイルデータも利用できます。
ここでは、Excelファイルのデータに接続します。「ファイルデータセット」を選択し、Excelファイルを開き、データを読み込みます。
ステップ2:レイアウト設計
KPIダッシュボードを新規作成し、ツールバーから空白のキャンバスにグラフ、地図、表、絞込ウィジェットなど必要なコンポーネントをドラッグ&ドロップします。
FineReportは自動調整レイアウトをサポートするため、コンポーネントを追加すると、位置とサイズが自動調整されます。
読み手がKPIダッシュボードの主要指標とサブ指標を識別できるようように、以下の三つのレイアウトをおすすめします。
ステップ3:グラフ・地図作成
KPIダッシュボードが一目でわかるように、適切なグラフと地図の利用が重要です。データの特性に合わせたグラフと地図を選択し、右側でデータと紐づけ、配色を設定します。
FineReportの70種類以上の豊富なチャート・地図により、データを通じたインサイトを直感的に把握できます。
グラフの使い分けに戸惑う方は、以下の記事を参照してください。
≫データ可視化で一番使う10種類の地図/マップ
≫【図解】で超わかりやすい~代表的なグラフの種類と使い分け方
ステップ4:アニメーション効果追加
人の目を引き付けるKPIダッシュボードを作りたいなら、最後にアニメーション効果を追加しましょう。3D地図、自動回転地図、KPIカード、マーカーなどを使い、重要なKPIを目立たせることができます。
KPIダッシュボードツール、何を選択すればいい?
KPIダッシュボードの作成ツールというと、まず思い浮かぶのはExcelでしょうか。
表計算ソフトのExcelは容易にデータを集計したり、グラフを作ったりするので、日常的にExcelでレポート作業を行っている方が多いです。もし、KPIダッシュボードのデータの量が少なく、個人での作業が多い場合、Excelの使用が適していると考えられます。
一方、多くの企業のデータは様々なシステムやツールに散在し、時間の経過とともに一層膨大になってくるのが事実です。従って、扱える量が多く、複数のデータソースの統合・分析に向いている「BIツール」を導入する企業も増えています。
BIツール「FineReport」で作成したKPIダッシュボードは、細かな分析や新鮮なデータの自動取得をサポートし、モバイル端末からも参照できます。また、FineReportポータルにより、レポート・ユーザ権限の管理が可能であるため、チームでKPIを共有することが安全かつ便利です。
「FineReport」は世界中15,000社超の導入実績があります。無料トライアル版は本場製品と同じ、全ての機能が利用できます、ぜひ試してみてください。