データマーケティングとは?実現手順から活用例、ツールまでご紹介
最終更新日:2020-7-23
オムニチャネルの推進やCRM、MAなど様々なシステムの導入に伴い、顧客のデータが多様化かつ膨大になっており、これらのデータの活用に着目した「データマーケティング」はビジネス戦略における不可欠な部分へと変化しています。多くのマーケッティグ担当者はデータマーケッティグを進めようと考えていますが、どこから着手するかさっぱりわかりません。そこで、本記事では、データマーケティングの実現手順、活用例、ツールなどを解説していきます。
目次
データマーケティングとは?データマーケティングのメリット
データマーケティングは、「データドリブンマーケティング」の略称で、具体的にいうと、消費者行動から収集されたビッグデータの分析を通じ、消費者に関する重要な洞察を引き出し、将来のマーケティング施策を指導する戦略のことです。データマーケティングを推進する前、既存のデータ、取得可能なデータ、およびマーケティングを最適化するためのデータ利用方法を明確化しなければなりません。
データマーケティングをうまく実施すれば、得られるメリットは次のとおりです。
1.顧客を正しく理解する
データマーケティングにより、顧客に関するあらゆる情報が集まるので、マーケティング担当者はターゲットオーディエンスを正しく理解することができます。これは、適切なメッセージを適切なタイミングで顧客に届けたり、特定の市場に適した製品を開発したりすることに繋がります。
2.マーケティング施策の効果を測定する
データマーケティングの最大のメリットは、マーケティング部門が売上目標の達成への貢献度を明らかにすることです。デジタルマーケティング関連のデータを利用することで、顧客の最初の関心から最終的な購入までの過程を追跡できます。ウェブサイトのCookieとクリック率(CTR)に基づき、マーケティング施策の効果を把握し、施策の改善やROIの向上に活かせます。
3.パーソナライズドマーケティングを実現する
企業は消費者の性別、年齢、地理位置から、行動や嗜好まで、データを包括的に分析することで、一人ひとりの興味関心に沿った情報やサービスを提供することができます。個人むけのメルマガやDMなどを送ることができれば、顧客の反応率と満足度は上がります。
データマーケティング導入前にクリアすべき3つの課題
多くのビジネス戦略と同様に、データマーケティングを成功させるには課題があります。データマーケティングをはじめる前に、以下の3つの課題をクリアすべきです。
課題① サイロ化したデータの収集・統合
高品質で統合的なデータを取集することはデータドリブンマーケティングの成功の礎で、決して簡単な作業ではありません。多くの場合、データがCRMやサイトアナリティクス、広告、SNS、会計システムなどにバラバラに散在しているため、ツールや部署を横断してこれらのデータを収集・統合するのは、かなり時間と手間がかかります。
課題② 定期的なデータ更新
データマーケティングでマーケティング部門や経営層の意思決定を支えるには、新鮮なデータを利用するに越したことはありません。可能であれば、リアルタイムの情報を使うべきです。しかし、定期的に各システムやツールからデータを抽出して更新することは単純で面倒な作業です。特に手動でスプレッドシートにデータを入力する場合、転記ミスが起きがちでしょう。
課題③ データ専門家が必要である
大量データの処理と解析には高度なスキルが必要であるため、マーケティング部門はデータ専門家を頼らなければなりません。データ専門家に、データモデリングやETL、データ分析などのスキルだけではなく、業務に対する深い理解も求められます。データ人材が不足している中、企業がデータマーケティング導入に躓くことが懸念されます。
データマーケティングを実現するための基本手順
データマーケティング導入前の課題への理解を踏まえて、一緒にどのような流れでデータマーケティングを推進するかを見ていきましょう。
手順① データを収集する
データマーケティングの第一歩は、サイロ化したシステムと部署のデータを収集することです。「何のためにデータを活用するか」を情報システム部門に伝え、目標達成に必要なデータを収集します。それから、そのデータを統合するためのシステムや環境を構築します。
また、複数システムやツールのデータの定期更新が面倒な作業なので、リアルタイムに最新データを自動反映してくれるシステムを導入することをお勧めします。
(出典:FineReport)
手順② データを分析する
次はデータマーケティングの一番重要な段階、集めたデータの分析です。抱えている課題に対して、例えば「広告のROIが低いのは、広告品質が低いからだ」という仮説を立て、それからデータ分析を通し、仮説が正しいかどうかを検証します。仮説が正しければ、広告素材を改善するなどの解決策を取ります。正しくなければ「仮説立て→分析→検証」というプロセスを繰り返して行います。
データ分析の際、クロス集計やクラスター分析など様々な手法を用います。以下の記事でビジネスシーンでよくデータ分析の手法を解説するので、ぜひご参考にしてください。
手順③ 分析したデータの見える化
データマーケティングをマーケティング施策や経営意思決定に役立てるに欠かせないのがデータの見える化です。分析したデータをグラフやダッシュボードで表示し、スタッフ間に共有すれば、組織全体が業務状況への理解をアップさせるでしょう。
データ量と作業負担が少ない場合、Excelは便利なデータ可視化ツールです。しかし、膨大なデータを可視化し、分析結果を組織全体で共有するニーズが高まるので、Tableau、FineReportのようなBIツールを導入し、マーケティングデータを活用し、レポートやダッシュボードを作成する企業は増えています。
データマーケティングの活用例をご紹介
データマーケティングの基本について説明しました。 しかし、「一体、データマーケティングをどのように活用するか」に対して疑問を持つ担当者がいるでしょう。そこで、これからデータマーケティングの活用例を紹介しましょう。
データマーケティングの活用例① 旅行サイトのアクセス状況監視
ある旅行サイトはGoogle AnalyticsやCRM、MAなどのデータを統合し、必要な情報をアクセス状況ダッシュボードで示しています。これにより、男女、地域、チャンネル別のユーザ数を確認したり、顧客の検索キーワードや地理情報などに基づき特定のユーザグループに適したオファーと特典を送信したりすることがきでます。
(出典:FineReport)
データマーケティングの活用例② EC業のコンバージョン率分析
EC業におけるデータマーケティングの1つの応用例は、コンバージョン率を分析することです。一般、ECサイトを訪れたユーザーが購入に至るまで、「カートに入れる⇒注文⇒決済⇒完了」を経ります。各ステップのコンバージョン率の異常を分析し、次に効果的な一手を打つすることで、全体のコンバージョン率を向上させます。
(出典:FineReport)
データマーケティングに役立つツール
近年、データマーケティングに絡む作業をすべて肩代わりしてくれる、優秀なツールが登場しています。最後に紹介するのは、3つのデータマーケティングツールです。
FineReport
複数のデータソースを統合し、ドラッグ&ドロップでダッシュボードを作成するBIツール。ユーザデータ、広告データ、 購買データなどマーケティングプロセスに関連するデータを一元的に取得・更新・利用することが可能です。
Tableau
豊富なチャートとモデルにより、効率よくデータを分析してレポートを作成するBIツールです。マーケティングデータの分析をさまざまな視点から多次元的に行い、素早くレスポンスを返す「OLAP分析」機能が得意です。
b→Dash
b→dashはデータマーケティングを「いつでも」「誰でも」「ひとつで」実現するマーケティングプラットフォームです。代表的な機能として、MA機能やレコメンド機能、web接客機能、SMS配信機能などがあります。
終わりに
データマーケティングは、膨大なデータを「収集、分析、見える化する」という段階を踏んで、具体的な施策の考案に非常に有用な手法です。ビッグデータや人工知能の発展により、データマーケティングがより一層展開されていくと見込まれます。担当者の皆様、ぜひ以上の内容を参考にデータマーケティングを進めてください。
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