まだエクセルで予算管理?予算管理システムで「カネ」管理の最適化を実現!
最終更新日:2022-8-12

企業が経営を安定させ伸張するには、予算管理を最適化することが肝心です。
予算は企業の三大資源である「ヒト・モノ・カネ」のうち「カネ」に関わる要素ですが、有限資産である以上、少しでも無駄を排除しなくてはなりません。
予算管理の最適化において活躍するのが「予算管理システム」です。
優れた予算管理システムを導入し、自社に沿った活用方法を確立するなら、予算目標の達成が容易になります。
この記事では予算管理システムに関して、以下の点にフォーカスします。
目次
予算管理システムとは
「予算管理システム(予算実績管理)」とは、「予算の策定・編成・進捗確認・データ分析・レポート作成など、予算に関するさまざまな管理作業を一括して行うシステム」です。
一言でいえば「予算管理を最適化するシステム」といえます。
予算管理システムには、以下のような機能があります。
データ収集と予算編成
過去の業績や部門別の情報などデータを収集し、それをもとに予算組みをする機能。
各部門で、原価や売上・利益・経費などのデータを入力してもらい、それを集約して予算のプランニングを行います。
シミュレーション
策定した予算計画が効率的なものかどうかをシミュレーションする機能。
トップダウン予算やボトムアップ予算をはじめ、さまざまな予算構成パターンをシミュレーションできます。
モニタリング&分析
予算編成を行ったあとに、実際の業績をリアルタイムに集計・把握する機能。
目標予算と実績の間の差異を監視することで、目標達成を阻んでいる要因を分析できます。
実績評価とレポーティング
四半期など期末に予算と実績とを比較して最終的な評価を行い、結果の詳細をレポートにして作成する機能。
各部門の担当者や現場担当者からのフィードバックや、予実差異のグラフ出力などをレポーティングできます。
予算管理の重要性
予算管理は、企業の生命線の一つといえるほど重要です。
企業は自社製品やサービスを販売することで利益を得ますが、経営を安定させ継続的に利益を伸ばしていくには、コストや売上等の管理を最適化しなければなりません。
何の考えもなしに予算を策定してしまっては、予算不足に陥ったり、その逆に無駄遣いを招いてしまったりする恐れがあるでしょう。
予算の策定自体が正しく行われても、その後の進捗確認を怠れば、予実に大きな差異が生まれてもそれに注意が向かず、結果的に大きな損失を生む可能性があります。
データ分析がおざなりになると、赤字の原因が売上にあるのか、経費の問題なのか判断しにくいです。
さらに今期の予実を総括しないと、今後の経営判断を正確に行うことは不可能でしょう。
このように予算管理を最適化しないと、企業活動に大きな支障が出やすいのです。
企業予算管理の課題や問題点
企業の予算管理には、さまざまな課題や問題点があります。
従来のやり方の懸念点をいくつか挙げてみましょう。
懸念点1:各部門との予算連絡が煩雑になり、従来の管理方式のデメリットが浮き彫りになる
カネに関わる業務は常に大量なデータが伴います。各業務システム、分析システムから予算データを抽出して統合させる業務もかなり複雑です。
Excelで帳票作成や予算管理を行う場合、「複数の拠点にデータ収集用のExcelファイルを渡し、メールで回収する」という工程を踏むと思います。
このやり方はシンプルで管理しやすいように一見思えるかもしれませんが、実際は煩雑な作業になることがしばしばです。エラーが発生しやすく、バージョンが混乱し、資料が分散し、情報の遡及が難しいなどの問題があります。
例えばファイルを全拠点から収集したり、ファイル未提出の拠点があれば催促したりする手間がかかります。
入力ミスがあれば修正を依頼しなければなりません。
さらに、記載方法が統一されておらず各拠点が独自のやり方で予算シートを提出するケースがあります。
この場合、回収したシートを統一するために再入力する手間がかかります。
このような非効率的なやり方をしていると、分析や戦略設計などより重要な項目にかける時間が失われがちです。
懸念点2:「カネ」管理の精細化ニーズが強まっている
企業の発展とビジネスの拡大と伴い、経営管理方式も粗雑から精細化へ移行しないといけません。
経理や財務部門予算管理の柔軟性と精細性がより一層求められるようになります。
伝統的な予算編成方式は、主管部署(経理部など)が経営計画と利益計画に基づき、全社の予算編成法案を発案します。しかし、多くの場合、 業務の実態を把握していないので、経理部門が作成した業務予算の多くは形式に流れ、業務への指導的な意義がありません。
一方、筆者の調査によると、業務担当者が業務ニーズと業務目標に基づいて作成された具体的な予算案が、財務担当者が手作業でレポートを作成することが多いです。編成された予算案は、子会社や部門によって、統計ルートや構成が違ってたり、「カネ」の統合管理や財務データの活用に大きな不便をもたらします。
懸念点3:属人化が発生する
予算管理に限らず現場作業で問題になりやすいのが「属人化」です。
特定の作業が特定の担当者に依存する結果、ほかのスタッフがその作業を引き継げずに支障が出ることがあります。
予算管理に関しては、例えばある担当者がExcelシートをマクロで作成した結果、ほかの担当者による変更ができなくなる事態が考えられます。
その場合、別の手法を新たに模索したり、担当者からの業務引き継ぎに奔走したりなど多大なロスが発生しやすいでしょう。

懸念点4:データ確認に時間がかかる
予算を組む上で過去のデータを参照したくても、管理方法の問題でタイムロスが発生することもありえます。
例えば前年度の実績データを参考にしたいのに、データ管理が一元管理されず別資料が作られた結果、参照するまでに余計な時間を食うかもしれません。
あるいは財務関連ではないデータを参照したいのに、やはり参考資料が一元管理されていないため、関係部門に別途確認の連絡を入れる手間がかかることもあるでしょう。
予算管理の考え方
ここからは、企業経営の安定と利益の拡大を達成するうえで、どのような予算管理の考え方を意識すべきか見ていきましょう。
まずは予算管理の基本の流れを整理し、その後、押さえるべき指標とソリューションについて解説します。
予算管理の流れ
予算管理の一連の流れを簡潔に説明すると、以下のとおりです。
- 予算策定(Plan)
- 予算実行(Do)
- 予実の比較分析(Check)
- フィードバック(Action)
予算策定の段階では、売上やコスト・利益などを総合的に編成します。
この際、単純な目標のみで決定するのではなく、過去の実績や市況なども考量することが必要です。
予算策定は主に以下の2パターンで行われます。
トップダウン型:経営陣の意向をベースに各部門の予算を決めるスタイル。
ボトムアップ型:各部門の声をベースに予算を決めるスタイル。
トップダウン型とボトムアップ型両方をすり合わせることで、業務実態を反映しつつ、一定の利益目標に沿った予算を策定できます。
予算実行は、策定した予算に沿って業務を遂行するステップです。
続く予実の比較分析のステップでは、策定した予算と実際の進捗状況とを比較します。
月次試算表により、計画通りに事が進んでいるか、あるいは大きな誤差が生じているかを分析し、その要因を探ります。
最後のフィードバックは、分析して得た結論をもとに改善案を現場に通達し、調整を図るステップです。
具体的には、コスト削減や人的リソースの調整・事業撤退についての推敲などが挙げられます。
このPDCAサイクルにより、企業活動の安定化・業務改善を模索します。
予算管理で押さえておきたい指標
予算管理において押さえるべき指標には以下のものがあります。
- 原価予算:製品・サービスの提供および仕入れに必要な原価の見積もり
- 経費予算:原価以外のコスト(人件費や広告費や光熱費など)についての見積もり
- 売上予算:期間中に達成すべき売上目標
- 利益予算:売上から「原価+原価以外のコスト(経費)」を抜いた利益目標
原価予算は売上予算(売上目標)に応じてフレキシブルに調整する必要があります。
売上予算は基本的に、成長を見越して前年度を上回る数値が設定されるべきですが、市況の変動も考慮すべきです。
経費予算では無駄を省くことを念頭に置くべきですが、同時に売上目標達成に必要な要素も踏まえ、バランスの取れた計画を立てる必要があります。
予算を組む際は、目標のみを全面に出さず、これまでの実績と現場の実態に即した判断を下すことが大切です。
予算管理課題の解決法と予算管理システムソリューション
予算管理を円滑に行う上で大切な点をいくつか挙げたいと思います。
- データの一元管理
予算の策定には、過去の実績データなど複数のデータを活用する必要があります。
この点で大切なのは、必要なデータを可及的速やかに参照できることです。
そのためにはデータが一元管理され、参照するまでにかかる手間が最小限ですむようにしなければなりません。
先述のとおり、Excelを使った各部門との連絡は煩雑になりやすい傾向があります。
関連する拠点が多いほど、データ回収という単純作業に貴重な時間を割かれてしまいがちでしょう。
そこで視野に入れたいのが脱Excel。
Excelシートをやり取りする代わりに、データの取り込みと入力を簡単にできる仕組みを構築するなら、策定ステップがスピーディーになります。
またExcel以外の統一フォーマットを採用することで、「Excel×マクロ」で起きがちな属人化も回避できるでしょう。
- 可視化予算システム
各部署にて独自管理・散在しているデータを一元管理できるほか、予算管理システムの強い可視化機能によって予算と実績の差分を一目瞭然にし、予算管理全般に関する作業効率化を実現します。
またデータ集計や分析にかかる手間とコストを削減し、手作業によるミスの軽減にも寄与します。

予算管理システムを導入する7つのメリット
ここからは、予算管理システムを導入することで得られる7つのメリットについて解説します。
自社の課題や問題点と照らし合わせつつ、それぞれのメリットが意味するところをイメージしてみてください。
予算編成の精度が高まる
1つ目のメリットは「予算編成の精度が高まること」です。
予算管理システムのシミュレーション機能を使うと、さまざまな条件下での予測を立てられるため、目標予算の精度がより現実に即したものとなりやすいです。
速やかで的確な調整・経営判断がしやすい
2つ目のメリットは「速やかで的確な調整・経営判断がしやすいこと」です。
予算管理システムでは予実状況をリアルタイムにモニタリングできるため、それに応じた予算の再編成が円滑になります。
例えば、原材料費高など外部に起因する予算計画への影響に対しても、迅速・的確に介入しやすいです。
常に現況が可視化されることで、データにもとづく的確な経営判断が実現します。
データ収集が効率化される
3つ目のメリットは「データ収集が効率化されること」です。
予算管理システムではデータベースでの一元管理が可能なため、入力作業がシンプルになり、必要なデータは自動集計されます。
これにより入力ミスのリスクが低減し、各部門とのExcelファイルのやり取りに伴う手間がなくなります。
単純なデータ収集作業が効率化することで、ほかの重要項目にリソースを割けるでしょう。
属人化が回避され管理がスムーズになる
4つ目のメリットは「属人化が回避され管理がスムーズになること」です。
予算管理システムを導入すると、各拠点で独自のやり方での作業が確立されることがなくなります。
特定の担当者のスキルやメソッドに頼らず、少しの訓練によりだれでも使いこなせる仕組みを構築できます。
目標達成に対する従業員意識が向上する
5つ目のメリットは「目標達成に対する従業員意識が向上すること」です。
予算管理システムにより各部門の目標値が可視化されるため、目標を意識した業務を行いやすくなります。
トップダウン予算計画は現場の従業員にとって理解しやすいものとなり、結果として従業員全体の目標達成へのモチベーションが向上するでしょう。
担当者の適切な評価が可能になる
6つ目のメリットは「担当者の適切な評価が可能になること」です。
リアルタイムのモニタリングにより予実把握が明確になると、各部門の業務遂行状況に正しい評価を下せます。
経営戦略に問題があるか、それとも部門の業務に課題が残るのかもより明白になるでしょう。
そのような確かな評価指標にもとづいた管理がされると、部門責任者のモチベーションは上がるはずです。

セキュリティ対策になる
7つ目のメリットは「セキュリティ対策になること」です。
Excelを使う場合、送信ミスやウイルス感染・ヒューマンエラーによる情報紛失および漏洩のリスクがあります。
クラウド上でファイルをやり取りする場合も、やはり共有設定ミスによる漏洩が懸念されるでしょう。
この点、堅牢な予算管理システムを導入すればデータの一元管理が可能になり、セキュリティ対策ができます。
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まとめ
予算管理は、企業の経営安定化と成長戦略を語る上で極めて重要な要素です。
無駄をなくし利益の最大化を図るには、予算策定からフィードバックまでのPDCAを的確に回さなければなりません。
その上で、データ管理の一元化や脱Excelへの動きを加速させるために予算管理システムの導入を検討することは賢明です。