実例から学ぶ丨製造・経営ダッシュボード作成の際に押さえるべきポイント
最終更新日:2021-10-20

データを直感的にわかりやすく「見える化」することは重要になります。
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業務・生産現場の課題と経営ダッシュボード解決策
課題一
現場データの収集が紙文書に頼り、プロセスが多くて、効率が悪い。あるいはデータは収集しているが、個別システムごとに散在しているため、一元的な有効活用ができていない。
解決策
- データ収集と伝達のプロセスをBIツールのデータ入力と展示機能によって最適化し、BIツールでデータの統合と一元管理を実現、経営、業務、生産の見える化、データ活用の促進を支援する。
- 紙文書が業務に介在するデータの伝達と管理プロセスをデジタル化して真のペーパーレス化と業務改革を実現する。
課題二
現場改善に取り組んでいるが、個別的な施策となり、企業全体的な改善効果がなかなかできない。
解決策
KPIや生産、経営の全体像をチャートや経営ダッシュボードなどの可視化手段により、改善すべき課題の特定と対策効果のデータ可視化をサポートする
課題三
現場で問題が発生する時、要因特定に時間がかかり、その間の生産停止や営業活動の中止により更なる不具合が生じ、コストが発生する。
解決策
- 生産現場専用の経営・生産ダッシュボードを開発し、生産状況を一目瞭然に
- FineReportみたいなダッシュボードツールを通して、サーバーの重要稼働データを監視ダッシュボードの形式で直接表示した。IT担当者や機械管理員は異常をリアルタイムで対応できる
経営ダッシュボード作成のポイント
経営ダッシュボードデザインに注意すべきポイントは何でしょう。
まずはFineReportでダッシュボードを作成する動画を一緒に見ましょう。
動画出典:FineReport
ポイント一:目的を明確化する
ダッシュボードデザインのコツでよく言及される「ユーザー目線」という基軸を念頭に置くことも大事ですね。
誰がこのダッシュボードを見るのか、何のために見るのか また、
例:「誰に」、「何を」
ポイント二:必要な指標を検討する
経営層に対して「話せる」ダッシュボードは、一目瞭然の指標から業務本質を見抜けるツールです。上記で設定した目的を伝えるには必要な指標を考えていきましょう。
例:
- 営業マネージャーに当地域の販売状況 → 売上高合計、製品別や時間帯別「月ごと」「日ごと」の売上高
- 工場長に生産ライン全体の生産状況 → 生産量合計、良品率、ライン別の生産量、目標達成率
- マーケティング担当者にサイトのアクセス状況 → 訪問総数、地域、チャネル、平均年齢、男女比率、コンバージョン率など(マーケティングダッシュボードの作り方をご参考)
「こういった情報もあわせて確認したい」という要望は閲覧者側から挙がってくることも多いため、ヒアリングしながら内容を決定していく方法も有効です。
ポイント三:適切なグラフを選択する
「ダッシュボードで何を伝えたいか」を明確にしたら、伝えたい情報を表示させるために最適なグラフを選択します。BIダッシュボードには5〜9個の表やグラフを含めます。
データを直感的にわかりやすく表示させるためにも、データによってグラフの使い分けも大事です。
BIダッシュボードツールFineReportには、独自開発の70種類以上のH5グラフは、円、棒、折れ線などの代表的なグラフから複雑なグラフまで網羅しています。地図とGISマップ、拡張グラフも備えています。高度なインタラクティブな分析のニーズに対応できます。
グラフにはたくさんの種類がありますが、以下は代表的な8つを挙げます。

①棒グラフ
棒の高さで項目ごとの集計値の大きさを比較する。
例)当月実績(担当者別)、店舗別売上etc…
②折れ線グラフ
時間の経過とともに集計値のトレンドを表現する。
例)店舗別売上推移、商品価格変動etc…
③円グラフ
円を全体として、合計が100%であるいくつかの項目が全体における割合を扇形で表す。
例)顧客構成・アンケート集計結果etc…
④帯グラフ
項目ごとの集計値に対する割合、つまりそれぞれの構成比を比較する。
例)売上目標達成率etc…
⑤レーダーチャート
各項目の軸は中心から正多角形状に配置し、それらの項目を属性としてもつ対象の全体的なバランスを見る。
⑥散布図
縦軸と横軸に各項目の量をとり、データがあてはまるところに点を打って示す。2種類の値の相関関係を見る。
⑦バブルチャート
散布図を構成するデータに加えて、もう1つの量的なデータ円の大きさで表す。
3つのデータの関係性を1つのグラフで確認する。
例)従業員数に対する営業利益率etc…
⑧ドーナツグラフ
円グラフと似ていますが、円グラフではデータの系列は1種類ですが、ドーナツグラフでは複数のデータの系列を表す。各データ系列の構成比を比較する。
視線の動きに心がけ
視線の動きの特徴として「上から下へ」「中央の意識の高さ」があります。
これを活かして、指標が多く複数の階層があるダッシュボードの場合は、
「主要情報」は左上か真ん中に配置し、周りをサブデータで固めるレイアウトがおすすめです。
最適なカラーのポイント
・背景色にはシンプルな色を使うと見やすい(白など)
・彩度の高い標準色はさける
・同系色を活用する
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経営ダッシュボード作成実例
上記のポイントを押さえれば、有益な情報が読み取れるダッシュボードの作成が難しくないでしょう。しかし、それだけではなく、使いやすいダッシュボードツールを選定することも重要です。
FineReportは、経営ダッシュボードの設計に特化したBIツールであり、ExcelライクのUIを持ち、ビジュアルにカスタマイズ性が高いです。Excelを使いこなせる程度のスキルがあれば、短時間で見た目のいいダッシュボードを作成し、営業分析できます。
以下はFineReportで経営ダッシュボードを作成する手順を解説し、上記のポイントへの理解を深めましょう。
①目的
下図はある会社の販売状況をテーマにする経営ダッシュボードです。目的は営業部部長に年間の売上状況を報告することです。

②指標
「営業部部長に年間の売上状況を報告する」という目的に沿って、ダッシュボードに指標を設定しましょう。営業部部長にとって、最も関心を示す指標は売上目標の達成率であり、それからは地域別、製品別、顧客別、担当者別等に細分化した売上データです。このように、売上全体の状況を把握する上に、様々な次元からデータを比較したり、業務を検討したりすることができるのです。

③レイアウト
レイアウトは標準的なピラミッド型ではありませんが、左上には一番重要な指標「売上目標の達成率」、その周りに「地域別」、「製品別」、「顧客別」の分析、左下には詳細な「担当者別」の売上情報を配置するので、閲覧者にわかりやすいと思います。

④グラフ作成
経営ダッシュボードの目的、指標、レイアウトを決めた後、データの特性とデータ間の関係に基づき、グラフを選択します。
FineReportデザイナを起動し、上記のレイアウトに従い、各グラフをダッシュボードにドラッグアンドドロップします。FineReportが用意した折れ線グラフ、棒グラフ、メータグラフ、ヒートマップ、地図、散布図などの多彩なチャートから、適切なものを選びます。

(注:設計画面の構成を説明します。①テンプレートを開く;②データセット一覧;③コンポーネントバー;④コンポーネント属性設定)
経営層に指標の達成度合いがわかるように、ここはメーターで「売上目標達成率」を表示しています。

製品、顧客毎に集計した売上を比較ために、縦棒グラフを使います。

各地域の売上分布はヒートマップで可視化します。

地図でエリアをクリックすると、ほかのグラフでもその地域に関するデータが出てきたらいいなと思う人がいるでしょう。ここは、FineReportの連動機能を利用し、地図と製品別、顧客別分析のグラフを関連付けます。連動効果は以下のようになります。



まとめ
BI/ダッシュボードは、企業の経営や運営においてますまず重要になっていくでしょう。ダッシュボードはExcelでも作れると言っている方がいるかもしれませんが、マルチデータの統合やデータの絞り込み、リアルタイム更新、アラート表示などには、FineReportのようなBIツールはより柔軟に対応できます。ダッシュボードの活用に興味がある方はぜひFineReportを試してみてください。
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